クックパッドの料理動画戦略
先日、東洋経済オンラインにこんな記事が掲載されました。
クックパッド、料理動画「今さら感」の打開策
FacebookやInstagramなどのSNSで時折流れてくる、1分でお料理をする動画レシピサイトが人気になっています。
アメリカで2014年頃から流行り始め、日本でも
といったサービスが立ち上がって、ユーザー数を急速に伸ばしています。
そこで、クックパッドも、動画で先行するこれらの会社に追随しようと、
1.料理動画を撮影できるクックパッドスタジオを設立、ユーザーが自由に使って料理を作り、スタッフが撮影、編集してアップする
2.大手小売りチェーンに専用端末を提供し、各店舗のおすすめ商品に合わせた販促用の料理動画を配信
という2つのサービスをスタートさせます。
先行する、デリッシュキッチンやクラシルは、質の高い動画を掲載しています。クラシルでは、レシピの考案から調理、動画撮影まで「クラシルシェフ」と呼ばれる専属の料理のプロたちが行っているそうで、1日50本の動画を作成するそうです。
ユーザーの拡散力を狙うにしても、クックパッドスタジオの動画作成数が1日50本になるとは考えられず、厳しいように思います。
2の小売チェーンに端末を提供は、昔からある商品のCMを流す端末と同様ですから、一定の効果は見込めると思います。しかし、ネットビジネスから離れた、ハードウエアを取り扱わないとならないことで、機器のコストや、オペレーションコスト(故障対応など)を考えると、投資に見合った売上に結びつくか?です。
クックパッドがデリッシュキッチンやクラシルに対して持っている優位性は、歴史と多数のユーザ、ユーザ投稿によるコンテンツですから、動画を使うなら、ユーザー発の動画にするのがよいと思います。
動画の質は劣るかもしれませんが、同じユーザーがやっていること、で興味が深まり、
動画の本数も増えるでしょう。
そのためには、自分で動画を撮影して編集する手間を減らしてあげること。
スマホ用の撮影三脚を提供したり、撮影編集アプリを開発したり、撮影した動画をアップロードしたら、システムで編集して配信用動画を生成するシステムを開発したり、というユーザーオリエンテッドな動画を活用する仕組みを作ったほうがよいと思います。